農業未経験から米作りに大奮闘!

氏   名
年   齢
就 農 地

就農年次




藤田 十五(ふじた じゅうご)

36歳
入善町
平成19年

【自家就農】

― 就農までの経緯を教えてください。

 私の出身は射水市で、親もふつうの勤め人でしたので、今まで農業について全く関わりがありませんでした。結婚して嫁の実家で出されたご飯が本当においしかったんです。それで、農作業を少しずつ手伝っているうちに「じゃあそろそろ一緒にやろうか」という感じで就農しました(笑)。今は、義父と二人で米を作っています(コシヒカリを14.4ha)。就農して7年経ちます。 その前は建具屋で8年働いていました。

― 就農して驚いたことは?

 まず、入善には若手農業者が多かったですね。世間では年配の人ばっか りで後継者不足というイメージが強いですけど、こっちでは農業の経営者 も従業員も若い人が多くいて驚きました。また、米作りの方法ですが、義父が「資材にお金かけず、手をかける」という人で、育苗に使う「床土」を自分で作っているのです。ふつうは出来上がった土を買ってきて種まきをするそうですが、我が家では山から掘り出した土を天日干しして、その後にふるいにかけて、肥料を混ぜて床土を作るのです。

― すごく手間暇をかけているのですね。

 ええ。経費はすごく抑えられるのですが、このやり方をしている農家は今では珍しいそうです(笑)。農家の知識が全くなかったので、どこの家も同じやり方やっていると思って知らずにやっていました(笑)。我が家みたいな小規模な農家は、出費を抑えることが重要なのです。
 よく、米の転作に大豆を作らないかって言われるのですが、新たに専用の機械を買わないといけないので、とにかく初期投資がかかる。それならと、その時期はよそへ手伝いに行っています。転作は新規需要米枠を使って、輸出米を作って農協さんでとりまとめてもらっています。お蔭様で我が家は無借金経営です。

― 就農する前と後で、農業のイメージは変わりましたか?

 大きく変わりましたね。就農する前は、後継者不足で年寄りばっかりで と、少し欝々とした先が見えないような世界なのかなと思っていました。で も実際に就農すると、若い人は多いし、みんな生き生きして元気にやっていました。人間らしい生き方しているなって感じましたね。

― 大切にしていることは何ですか?

 仲間を大切にしたいなと思っています。自分は元々この土地の出身でないので、地域の人たちから、いろいろなアドバイスをもらったり、情報交換したりと、よく目をかけてもらっていると感じています。この地域での生き方みたいなものも教えてもらっているように思えて、人と人の繋がりが大事だなと感じています。ちょっと青臭いですけど(笑)

― 入善はそんなに若い就農者がいるのですか?

 入善町は毎年5、6人就農しているので、10年経つと50人以上の若手が農業に就いています。就職先として、普通に農業があることが、入善のすごいところですね。

― 今後やっていきたいことはどんなことですか?

 やっぱり米の直売ルートを確保していきたいですね。今は9割以上がJA です。今後は、縁故を通じて入善の米を広めていきたいと思っています。主に呉西の友人たちに食べてもらいたいですね。こっちの米の味は本当に違います。
 また、新たな米の加工品を考えていきたいですね。実は、農業祭でライスバーガーを80食出したのですが、すぐに売り切れて、さらに40食追加して、完売しました。米の消費を自分たちでもっと増やしていけたらいいですよね。

― これから就農する方にメッセージをお願いします。

 自分の作った米を食べてもらって「おいしかったから、またたのむわ」と言われて、 とても嬉しかったですね。本当にやりがいのある仕事です。農作業の繁忙期は休みの日が不定期だったりして辛いこともあると思いますけど、毎年若い人がたくさん就農しているので、仲間と一緒に頑張ってほしいと思います。