直播き栽培の米はおいしい!

氏 名
年 齢
就農地
就農年次




藤田 雄太(ふじた ゆうた)

25歳
入善町
平成21年

【法人就業/(有)米山農産】

— ここに就業されるまでの経緯を教えてください。

 家は一般的なサラリーマン家庭ですが、兼業農家として少し水稲をやっています。子どもの頃、小型のトラクターに乗せてもらって楽しい思いをした記憶があり、将来もっと大きなトラクターを自分で運転したいと夢をふくらませたこともあります。中学生の時の「14歳の挑戦」では、米山農産で1週間の仕事を体験させていただき、将来の仕事として農業を意識するようになりました。そして高校は農業科に進み、米山農産に何度もアルバイトにきて、そのころから真剣にここに勤めたいと思うようになりました。

— 現在の経営内容を教えてください。

 水稲54ha、大豆25haがメインで、ハウスでネギ、大根、大カブ、赤カブなどの冬野菜もつくっています。また野菜は、漬け物などの加工品にもして販売しています。

— その中での藤田さんの担当は?

 水稲15haがメインです。野菜についてはお手伝いする程度です。当社には従業員が5人いて、分担して水田の管理をしていますが、お互い情報交換したり先輩から教えてもらいながら、水や肥料の調整をしています。私より後から入社した後輩が2人いて、彼らへのアドバイスや仕事の進み具合の確認なども行っています。

— 米山農産での稲作に特徴はありますか。

 当社では直播きを徐々に増やしています。直播きは手間が省けるだけでなく、出穂の時期が1週間ほど遅くなるため高温による被害を受けにくく、品質のいい米が収穫できるようになります。今年(平成27年)収穫した米は100%一等米でした。また、当社では、堆肥を自分たちでつくり、土の状況に合わせて撒く量を調整しています。

— 販売はどのように?

 米や大豆は、農協への委託販売が中心です。野菜や漬け物に関しては、地元のスーパーや農協の直売所に卸しています。今年からは東京・有楽町での農産物の直販イベント「マルシェ」に参加して、当社の米を宣伝して新たなお客さんを開拓することを試みています。

— 他に何か新しく取り組んでいることはありますか。

 入善の農業に関わっている若い人たちと協力して、2年前からライスバーガーの開発を始め、農業祭などで販売しています。焼きおにぎりに近いものですが、肉を入れたりサトイモを一緒に握ったりすると、焼いた時に香ばしいにおいがして食欲をそそります。仲間内では、いずれ商品化できたらいいと話し合っていますが、ごはんに混ぜる具材については、まだ検討の余地があるようです。

— 就農して7年になりますが、感想は?

 ひとつには、入善で就農してよかったと思います。入善・黒部周辺には農業に携わる若い人が多く、そういう人たちと出会えてよかったと思っています。また個人的には、私には農業という仕事が合っていたように思います。確かに忙しい時は目が回るようですが、サラリーマンのように毎日同じことをするのは、私にはとても無理です。農業は、一見同じようなことをしているように見えて、気象条件は毎年違いますから、それに応じて作業を工夫しています。また、自分でまいた種から芽が出て、育ち、そして収穫する過程を見ているのは本当に楽しい。ましてやそれがおいしく、自分が感じるだけでなく、お客さんからも「おいしかったよ」といわれると、心の底からうれしくなってきます。