先祖代々の米作り農家を法人化して経営

氏   名
年   齢
就 農 地

就農年次




林 幸治(はやし こうじ)

38
黒部市
平成15

【自家就農】

― 経営の概要を教えてください。

 私の家は、先祖代々農業をやっていまして、今のように人様の田んぼを預かって 耕す請負のかたちにしたのは、父の代で、 もう40年近くになります。10年前に法人化して、有限会社林農産となり、現在は家族と社員2名の計6名体制で働いています。
 規模は60haです。内訳は、稲45ha、ねぎ1.2ha、大豆17ha、そば1haです。この中に大豆の作業受託4haを含んでいます。稲の品種は、コシヒカリがほとんどです。一部直播きもやっています。備蓄米の「てんこもり」が5haありまして、ハウス栽培のぶどうも少しあります。

― 就農までの経緯を教えてください。

 大学を出て、就職しましたが、実家の経営面積もかなり大きくなっていたこともあって、結婚を機に就農を決意しました。

― こだわっているところは?

 気象条件によっていろいろ変わるので、とにかく安定して高品質な米をつくることです。また、新しい技術も積極的に導入しています。水稲の湛水直播栽培が出てきた当時、すぐに取り入れました。直播きとは、直接水田に種子をまくことで、苗を作って植えなくて済む技術です。特にたくさんの面積をこなす際には、苗づくりにかかる時間を大幅に短縮できるため、作業の効率がはかれるのです。最適な時期に、短期間で直播きをすることが品質の安定につながっていますね。

 また、最近はネギに力を入れています。機械を導入して効率化をはかりました。ネギは 10aあたり労働時間が200時間かかると言われる中で、1.2haは黒部では大きいほうと思っています。米の収穫後にネギの収穫にかかれるので、無駄なく作業ができるのが魅力です。「ねぎたん♩♩」という短葉品種を導入して、夏ねぎも手掛けています。販路はほとんどJAさんです。

― 楽しいこと、辛いことはどんなことでしょうか?

 計画していた収量より多く収穫できた時はやっぱりうれしいですね。また、家族で一緒に仕事ができることも良いことでしょうか。仲の良し悪しは別ですが(笑)。辛いことは、実は本当に多いのですが(笑)、やっぱり朝早いことが最初は辛かったですね。田んぼに水を入れる時なんかは、5時には起きて田んぼを回わらないと、稲に水が追いつかないんですね。生育にも影響しますので、3人で手分けしていますが、慣れるまでは大変でした。

― 地域の方たちとの交流は?

 この地区の壮年会、消防団などをやらせてもらっています。また、昨年は魚津、黒部、宇奈月の青年農業者の皆さんをまとめる機会にも恵まれました。いま黒部では「のらくろ」という若手20名ほどを中心にしたグループで交流を深めています。酒をのんでばかりと言われることもありますが(笑)、大切な情報交換の場になっています。

― これからの目標は?

 今後は、もっと積極的に経営を拡大していきたいですね。黒部には新幹線も来ますし、自分たちのブランドといえるものをしっかり確立して、積極的にやっていきたいですね。特に、米の直売に関しては力をいれていきたいと思っています。

― これから就農する方にメッセージをお願いします。

 あきらめずに、しっかり最後までやり遂げて欲しいと思います。甘くないですが、投げ出 さないでやることで、達成感を味わえると思いますし、希望を持ち続けていれば、何かわ かってくることがきっとあります。ぜひ頑張ってほしいですね。