5年前、31歳の時に就農されていますが、その前の仕事は? |
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農協の職員です。果樹や作物担当の営農指導員をしていました。 |
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いずれ就農するという目標を持って農協に入られたの? |
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そこまで明確な目標は持っていませんでした。あくまでも就職先のひとつです。中学・高校の頃も、ひょっとしたら農業を仕事にするかもしれないなと、漠然と思ってはいましたが……。 |
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就農のきっかけは? |
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10年ほど勤めて、ひとつの区切りがきたかなと思い、就農することにしました。 |
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当時の経営面積は? |
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30haだったと思います。今はもう少し増えて34haとプラスアルファ。 |
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内訳を教えてください。 |
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水稲が25ha、転作大豆が9ha、プラスアルファに桃が0.1haあります。 |
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桃……? |
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5年前、試しに24本の苗木を植えてみました。平成23年の夏から収穫が始まり、一部の希望者に販売はしています。ただ、大きな商売に成長させようとは、今のところ思っていません。 |
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他の果樹を試みるとかは? |
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ブルーベリーやラズベリーを鉢植えで育ててみたいという思いはありますが、あくまでも趣味の範囲で、本業は主穀作です。 |
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25haの水稲、9haの大豆。合わせて34haですが、これを何人で? |
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私と母親の2人。そして農繁期にはアルバイトに手伝ってもらっています。 |
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ものすごく忙しいのでは? |
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でも基本は土日は休むようにしています。だから、効率的に作業を進めるにはどうしたらいいか……。これはいつも考えています。機械化できるところは機械化して、体に負担をかけないようにする。そうしないと長続きしません。 |
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休日は何を? |
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日によって違います。1日中ごろごろ寝ころんでいる時もあれば、DVDなどをみることもあります。晴れて天気がいい時は、バイクに乗って出かけます。 |
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米づくりには、アグリ池田ならではの特徴はあるのですか? |
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一般的な作り方です。農協が指導されている方向性に沿ってつくっています。 |
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販売に関しては? |
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米は一部、友人知人やそれらを通じて紹介された方に販売していますが、大豆も含めてほとんどは農協に出荷しています。 |
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例えば、インターネットを活用した販売、あるいは他のルートを開拓するとかは? |
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インターネットに関しては、今の2人体制ではまずできません。別の販売ルートの開拓に関しては、今度、北陸新幹線が開通し黒部に新駅ができる予定ですが、そこで土産物用のお米を商品化・販売できないか検討しているところです。 |
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大豆は転作ですから、その必要性がなくなる可能性もありますが、そうなると米を? |
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米作に戻る可能性大です。ただ米の方も2人でやるには限度があります。地域の農家から後継者がいなくて、作付を依頼されるケースが時々あるのですが、今までは断ってきました。 |
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「今までは……」といういい方ですと、“これからは違う"というふうに理解できますが……? |
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平成25年の4月から、1人、常時雇用する予定です。1人入れば、経営面積を増やしていけます。 |
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その延長で、もっと人数を増やして、経営面積も増やしていきたいという夢あるいは計画は? |
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将来は、従業員5人くらいかな。僕も入れて6人になると100haくらいはできると思います。100haの田んぼを抱えたら、水を見るだけでも丸1日かかってしまうでしょうけど……。 |
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後継者不足で耕作を依頼する方が増えており、実現する可能性が高いでしょう。あと設備と人は? |
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たぶんそれは問題ないでしょう。「設備」は農協などの支援を受ける。「人」は、農業を始めたい人や農業法人に勤めたいという人が増えてきています。
実は昨年までアルバイトで手伝ってくれていた人が、4月から入ってくる予定ですが、この方もそんな感じで、以前からいわゆる農業法人の従業員として農業をしたいという夢を持っていたそうです。 |
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従業員を抱えるということは、これからは人づくりもしていかないといけないわけですね。 |
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米づくりは奥が深い。気象条件は毎年違うし、土壌もほ場によって異なる。ですから基本は同じでも、その年、そのほ場に合わせてアレンジしないといけない。そこがわかるようになるには、失敗も含めていろんな経験が必要です。そこで僕は、彼が少し慣れてきたら、数枚の田んぼを任せてみようと思っています。9月に予想どおりの収穫ができた時の喜びは格別ですから、それを経験させてあげたい。 |
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■現在の経営状況
水稲(米) 25ha
大豆(転作) 9ha
桃 0.1ha |