わたしの体験談
10年先の目標も持っています
氏 名
年 齢
就農地
就農年次
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松井 翔大(まつい しょうた)
28歳
魚津市
平成22年
【自家就農】
— 現在の経営内容を教えてください。
ブドウ1.3ha、リンゴ0.6haがメインで、キウイ、クリ、洋ナシを少し栽培しています。ブドウの0.3ha分は私が就農したのを機に増やしました。これを父と母、私の3人で管理し、繁忙期にはアルバイトを加えています。基本は家族経営です。
— ブドウは割と手がかかる果樹のようですね。
大雑把にいうと、リンゴの場合は整枝と着果数の管理が主な仕事ですが、ブドウはまずツルを誘引して均等に日光が当たるようにします。そして花房の数を調整し、ジベレリン処理(種なしのための処理)をします。その後、1房ごとに粒の数を調整し、多い場合は間引く。そして最後に袋をかけて収穫を待つ。ツルの誘引から袋かけまでを1カ月半くらいで行いますが、この間は本当に忙しい。文字通りネコの手も借りたいほど、起きている間はずーっと作業をしているようなものです。
— 収穫したブドウやリンゴはどのように販売しているのですか?
ブドウはウチの直売所と魚津駅前のスーパーの一角を借りた販売コーナーで直販しています。リンゴは直売所と、地元スーパーの地場産品を集めたコーナーに持ち込んで販売してもらっています。お客様の大半は地元の方ですが、ブドウは旬の時期が夏休み、お盆休みと重なるため、里帰りされた方や旅行中の方々にもお買い求めいただいています。
— 子どもの頃から就農するつもりだったのですか。
小学生の頃から、「いずれは……」と思っていました。ただ本気で考え始めたのは、中学以降の進学を意識した時です。高校は農業科に進みました。ただ高校の授業は米や野菜が中心で、果樹について学ぶことはできませんでした。それでブドウの栽培について専門に教えている山梨の専門学校に進み、卒業後は2年間の実地研修を受けました。
— その研修とは?
山梨にあるブドウの苗木屋さんで1年、富山に帰ってあるブドウ園で1年、ブドウの栽培管理や収穫などを、実践的に勉強させていただきました。そしてその後、平成22年4月から家業の手伝いを始めたわけです。
— 松井ブドウ園のブドウのセールスポイントは?
地元で直売しているため新鮮なのと、完熟してから収穫していますので甘みが強いのが特徴です。お客様にはリピートの方がたくさんおられます。
— そういうブドウに育てるために、何か工夫しているのですか?
しています。肥料を施すタイミングや量は、土壌の性質によって異なります。ですから農園ごとにそれを把握し、また天候の状況によっても加減します。それらの見極めが、おいしさの秘訣につながっているわけです。私が就農してからの5年間でいうと、平成27年の夏は一番よくありませんでした。梅雨が短く、梅雨明したら急に気温が高くなり、育ち始めた房が強い日光を浴び、日焼けしたように枯れていきました。枯れたのは2割ほどでした。
— 今後の目標は?
天候により収穫が左右されないよう、ブドウ園はハウスによる管理にしたいと思っています。徐々にハウス栽培にしていますが、0.5haほどはまだです。また、いずれブドウやリンゴのスイーツをつくり、商品に加えたいと思っています。スイーツづくりに乗り出すのは10年先、20年先になるかもしれませんが、経営の安定を図る上でもぜひとも取り組んでみたいと思っています。