直販にこだわった高品質なぶどう作り

氏　　　名
年　　　齢
就　農　地

就農年次

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宮﨑 雄介（みやざき ゆうすけ）

30歳
砺波市
平成19年

【自家就農】

― 現在の経営の概要を教えてください。

　1.6ｈa（約5,000坪）にぶどうを30品種栽培しています。生食用としては広いほうでしょうか。父が昭和57年に水田を転作して巨峰などの苗木を植え付け、始めました。両親と自分の3人で仕事をしています。自分はぶどう園の二代目で、他に期間パートさん（栽培、販売）をお願いしています。8～10月が販売時期です。スーパーに出回らないような品種、いわゆる高級品種のぶどうを多く栽培しています。1キロ当たり900～4,000円、一房あたりでは400～3,000円です。新品種の導入にも力を注いでいます。

― 宮崎ぶどう園さんの特徴を教えてください。

　うちの特徴としては、栽培面積の8割がハウス栽培ということです。ボイラーをたいて、他よりも早く出荷できるので商品価値を高めやすくなっています。また、ぶどうは雨に弱いので、露地栽培では病気を防ぐために農薬の量が増えてしまいますが、ハウスでは、1/3の農薬量で済むこともメリットです。皮ごと丸ごと食べられる、人気の高級品種のぶどうを多く栽培しています。

― 販売はどのようにしていますか？

　全てここで個人販売しています。売上の内訳は、直売7割、発送3割です。
　直売所での主な客層は40～60代の女性で、贈答用として買われる方が多いので、品質の良さが伝わるように、パッケージ、販売員のユニフォーム、ぶどうの色に合わせた陳列など、見た目にも気を使っています。販売は自分が中心となって力を入れています。
　宣伝広告は、ここ5年くらいやっていませんが、口コミなどリピートのお客様が中心です。HPやブログ、Facebookページも手掛けています。

― 他のぶどう園との違いはなんでしょうか？

　当園では、ぶどう狩りや食べ放題は行っておらず、高級品種や市場にあまり流通していない珍しい品種を中心に栽培し販売しています。お客様から「贈り物にするならここで」という声をよく耳にするので、他園との差別化ができているのではないかと感じています。以前は「ぶどう狩り」をやっていましたが、自分が関わり始めてからは止めました。他と同じことをしても仕方ないという思いがあったので。

― 農業をやろう、家業を継ごうと思われたのは、いつからですか？

　小さい時からずっと、ぶどう園を継ごうと思っていました。高校は普通科、 京都の経済短大を経て、東京の農業者学校へ進みました。その後、研修で愛知と広島のぶどう園で働いて、実家にもどり今は7年目です。

― 農業をやってよかったこと、うれしかったことは？

　お客様に「おいしい」と喜んでもらえることが、一番うれしいことですね。お客様から「ありがとう」と言われることがあるのですが、こちらこそ「本当にありがとうございます。」という思いで、日々の励みになります。

― 将来の夢は？

　近い将来、ぶどう園にカフェを作ることです。ぶどうを材料にしたメニューのほかに、他の農産物を農家に提供してもらって飲食店で加工したメニューも販売していきます。
　このような取り組みを通してぶどう園全体の付加価値を高め、「宮崎ぶどう園」のブランド化を図っていきたいと考えています。


― 農業の発展について課題と感じていることは？

　農業はまだまだマイナスイメージが先行してますが、自分は、農業は生産から販売まで一貫してプロデュースすることができる魅力にあふれた可能性がある仕事だと思っています。良いものを作っていても、販売やマーケティングが苦手で、価格競争に巻き込まれている農家さんが多いと思います。自分は、そんな農業のイメージを変えていきたいですね。そして当園のような個人農家でも、可能性がある農業ができることを示していきたいと考えています。