わたしの体験談
利賀村の農業を守りたい。高原野菜にも挑戦!
氏 名
年 齢
就 農 地
就農年次
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野原 猛史(のはら たけし)
35歳
南砺市
平成15年
【法人就業】
― 就農までの経緯を教えてください。
子供のころから田んぼの手伝いなど、生まれ育った利賀村で農業が身近にありました。大学を出て、2年県外で働きましたが、地元に戻ってきた時にこの仕事があったので、働いてみようと決めました。
― 勤務先の経営概要を教えてください。
勤め先は公益財団法人利賀村農業公社です。耕作できなくなった農地を預かって管理しています。水稲15ha、キャベツ80a、ソバ6haなどを栽培し、私を含め6名が働いています。農家さんは平均して10aほどの農地をお持ちで、今は15ha、150枚ほどの水田のほか畑も請け負っていますが、今後はもう少し増えてくる見込みです。山合いなので、細かいほ場が多く機械も使いますが、同時に手作業も多いです。
― 具体的な仕事の内容はどんなことでしょうか?
自分は機械作業を主に担当しています。6名の中には、臨時の方が2名いますので機械操作をお願いするのが難しいためです。繁忙期が過ぎて冬になると、雪に閉ざされるので、ほとんど仕事はありませんので、スキー場でパトロールをしています。
― こだわっていることは?
利賀村でもおいしいコメがとれますので品質の良いものを提供していきたいと考えています。今は農協と業者に8割近くを卸しています。残りは直売 ですが、看板を見てこられる方がほとんどですね。
― 利賀村でのむずかしさ、楽しさはどんなところでしょうか?
この地域は、ひとつひとつの田んぼが小さく、用水量が少なく水管理が 難しいところでしょうか。自然相手にはマニュアル通りにいきません。米は1年に1回きりしかできないので、試行錯誤の連続です。利賀村では、以前から特産としてソバを栽培していますが、ここ二・三年は湿害で生産があがっていません。そこで、キャベツなどの高原野菜などに力を入れています。特に高原野菜は、平地よりも管理が楽で、味も良いと言われてます。これからは、付加価値のある野菜を作っていこうと取り組みを始めています。実はキャベツは、数は少ないですが8番ラーメンにも卸しています。
― 付加価値のある野菜作りのために、どんなことをされていますか?
まず、土づくりから始めています。昨年から、収穫した後に捨てられていたモミがら、ソバがらを活用して、利賀村独自の堆肥を作りはじめました。 自然の状態に近付けて地力をつけることで、品質の良い野菜を生産したいと考えているからです。この土地では、数が出せないので、付加価値のついた野菜を作って、公社の名前をしっかり売っていくことが大切だと思っています。
― 就農して何年経ちましたか?振り返ってみての感想は?
10年経ちました。早いですね。最近は特に「商品にした時の品質を上げていくためにど うするか」「商品をどう売るか」「どういう農業をするか」を考えることが多くなりました。指示されたことだけでなく、常に考えながら勉強していく必要があると思います。何といっても一年に一回しか作物を作るチャンスがないわけですから、ゆっくりしていては時間がなく なってしまうんです。
― 農業法人に就職して、大切だと思っていることはありますか?
地域との関わりです。利賀村で30代男性は5人くらいしかいないので、 地元のイベントにはたいてい、引っぱり出されます。それを楽しんで参加することがとても重要ですね。そうすれば、逆に地域の人々の協力を得られやすくなります。