目標は100%直売・自社ブランド化

氏 名
年 齢
就農地

就農年次




岡島 孝昌(おかじま たかまさ)

36歳
高岡市
平成19年

【法人就農】

― 勤務先の経営概要を教えてください。

 「有限会社オカジマ農産」と申しまして、私の兄が代表取締役、父が会長をやっています。総面積は30ha、内訳としては水稲22ha、オオムギ8ha、サトイモ60aほどを生産しています。主力は水稲ですね。

― 就農までの経緯を教えてください。

 最初は農機具の会社に就職したんです。機械の整備が好きだったので。当時、家業を継ぐ気はなくて…。まあうっすらと、機械整備の技術を身に着けていれば実家で後々役に立つかなというのはありましたが。でそこを辞めていろいろしているうちに、農業もいいかなと思えてきて。やるなら若いうちに身につけておこう、親もいつまでも元気じゃないし、と…。親が元気なうちに、兄と二人でやっていけたらなと思って就農した形ですね。兄のほうは、大学卒業後すぐにここで働いていたので。

― 就農するにあたって、どんな準備をしましたか?

 建設会社にも勤めていたので、トラクターの運転に必要な大型特殊免許はもともと持っていました。あとは、就農してからトラックの大型免許も取りましたね。いろいろ運んだりするのに必要で。ラジコンヘリの免許も取りました。病害虫防除のために、3〜4mの高さでラジコンヘリを飛ばして農薬を散布するんです。そんな感じで資格はいくつかとりました。

― 実際に農業を始めて、どうでしたか?

 家業ですので、小さい頃から両親の姿を見ていて、どんな作業なのかなんとなくはわかっていました。ただ、やる前は、機械でできる簡単な仕事だと思っていて。
 でも実際やってみたら、細かい作業が多くいろいろ大変でした。あとは水ですね。やっぱり生き物なので、毎日毎日田んぼに水を入れなければいけなくて、それが辛かったです。朝が早くて。朝5時に起きて、水を入れて、8時頃に止めなさいと父に言われて。早起きが、最初はとても苦痛でした。夜更かしもできなくて…。田んぼの面積が多いので、管理も大変です。草刈りなんかも一番辛い仕事で、倒れそうになりますね。

― 農業をやってよかったこと、うれしかったことは?

 正直、これが嬉しかった、よかったと言えるようなことは、まだあんまりないんです。何かを成し得たというところまで来ていないと言いますか。
 印象に残っているのは、トラクターに乗っていて田んぼにはまってしまったことですかね(笑)。田んぼのど真ん中ではまって、もうどうしようもなくて、どぼどぼになりながら引き上げ作業をした思い出があります。
 そんな感じで米に関してはまだまだなんですが、サトイモは、少し手ごたえを感じています。数年前から始めて、胸を張っておいしいと言えるものができたので。自信になりました。

― 今後の目標は?

 今は米はほとんど農協に出荷していますが、いずれは全部直売にできたらなと思っています。やっぱり農協を通すと、幾分安くなってしまうので。自社の米をブランド化して、付加価値をつけることができればと。
 それからサトイモは、今、兄の奥さんが事務所を改装して、サトイモを使ったパンやチーズケーキを作っていて。それを商品化して直売所に置いているんです。そういうのももっとアピールしていきたいですね。

― これから就農を考えている方にメッセージを。

 辛い仕事ではありますが、やればやっただけ、辛い以上のものが得られると思います。やりがいのある仕事に就きたいという方には、農業もいいんじゃないでしょうか。