兄弟で牧場の未来を切り開く!

氏 名
年 齢
就農地

就農年次




山本 雄大(やまもと ゆうだい)

33歳
高岡市
平成18年

【自家就農】

― 経営の概要を教えてください。

 肉牛の肥育、堆肥の製造で、肉牛は 380頭います。祖父の代より牛を飼ってい ますが、元々は農耕用の牛を扱っていた と聞いています。トラクターが流行りだしてから、牛を食用に変えていきまし た。父の代になって頭数を増やして、現在に至っています。両親と兄弟の4 人で働いています。牛は富山県で販売され、一部は石川県にも流通してい ます。


― 就農前は何をされていましたか?

 大学を出て、公務員になるための勉強をしていました。私は法学部、弟 は理学部を出ましたから、農業とはまるっきり畑違いです。それが二人とも ほとんど同時に就農しましたから、珍しいかも知れないですね。

― 就農までの経緯を教えてください。

 実は継ぐ気はさっぱりありませんでした(笑)。きっかけは、祖母が体調を 崩したことです。それまで祖母がやっていた子牛の世話を手伝い始めて、 いつの間にか仕事になっていたというのが正直なところです(笑)。

― 具体的な仕事の内容はどんなことでしょうか?

 仕事は分担しています。子牛の世話は自分の担当です。弟はすこし大き くなった牛を育てたり、牛の下にしく敷きワラの交換、堆肥づくりです。仕 事は家族に教えてもらったので、特に研修は受けませんでした。最初のころ は、牛の病気について家畜保健所の方から意見を聞いたり、自分でも勉強 して徐々に改善していきました。新しい技術などについては、普及員さんの 指導のもとアドバイスをもらっています。

― 苦労することは?

 やっぱり子牛の世話は難しいですね。牛を病気にさせないことが良い肉 を作る上で重要なんですが、子牛の時が最も病気になりやすいんです。病 気になりそうな気配があったら、いろいろ対策をうって様子をみるんです が、1頭1頭子牛によっても違いますし、条件によっても違ってくるので「絶対 に大丈夫」ということがないことが苦労することでしょうか。

― 大切なことは何ですか?

 牛をこまめに観察することですね。耳が少し垂れてきたかなとか、元気 がないなとか、牛の健康状態をしっかり見ることです。全ての牛をケアする のは労力がかかりますが、最近、新たにサーモグラフィーを導入してみま した。まだ50%程の確率ですが、牛の体温を一頭ずつ計らなくて済むこ と、そして調子の悪い牛は色で識別できて判別しやすいので、以前よりは 効率が良くなってきました。

― やっていてよかったと思えることは?

 それは、これからですね。今年は牛の世話だけではなくて、外に出てイベ ントなどで多くの人と交流しました。農業祭で牛の串肉を出店してみたり、 イベントに肉を提供してお客さんの反応を見るなど、消費者目線の牛肉の あり方を探っていけたらと思っています。
 ここ福岡町はハトムギの生産がさかんですから、昨年あたりからハトム ギのクズを牛に食べさせると元気になることがわかってきて、今後もいろい ろ試していく予定です。これから、もっともっと面白くなっていく予感がありま すね。

― これから就農する人たちへメッセージをお願いします。

 私はまだ何かを言えるようなことをしている訳ではないですが、あえて言 うなら、これからは、生産だけやろうと考えていては厳しいということです ね。この地域には、HITSという氷見市や射水市、高岡市内の20〜30代の 若手農業者30名ほどが交流するグループもあり、いろいろな刺激をもらっ ています。商品開発や販売経路なども含めて、積極的に外に出て活動して いくほうが長く続けていけると思いますね。