「食」への興味から農業法人に転職!

氏 名
年 齢
就農地

就農年次




長谷川 澄(はせがわ きよし)

41歳
富山市
平成20年

【法人就農】



― 勤務先の経営概要を教えてください。

 「有限会社営農ワイエムアイ」と申しまして、現在は社員12名、水稲89.5ha、大豆21ha、ねぎ20a、その他の野菜で10aほどを生産しています。
 米は土作りからこだわっていて、堆肥も自然のものを使用しています。牛のフンに油かすやリン酸などを配合した、弊社オリジナルの99%有機堆肥です。また、農薬の使用も極力抑えています。
 野菜はねぎが露地栽培、またハウスで葉物野菜を栽培しています。小松菜・ミニ白菜・ホウレンソウ、エンサイ(空心菜)など。あとは去年(平成27年)から、いちごも始めました。

― 就農までの経緯を教えてください。

 もともと食べるものに興味がありまして。高校も農業高校に行って、そこからお菓子の専門学校に進学しました。
 でも就職難で、製菓関係ではなかなか仕事が見つからず…。結局、全く畑違いの、機械の製造工場に一旦は就職しました。でもやはり性に合いませんでしたね。ずっと建物の中にいるより、外で体を動かす仕事がしたいと思いました。それでこちらに転職しました。テレビで農業を扱った番組を見て、なんだかピンときたんです。あ、農業もいいな、と。

― 農業をやってよかったこと、辛いことはどんなことでしょうか?

 よかったなと思うときは、やっぱり晴れの日ですね。天気がいいと外での作業が気持ちよくて、やっぱり建物の中にいるのとは違うなと思います。気持ちよく仕事ができる環境かなと思います。
 逆に、悪天候で作業が思った通りに進まないときは歯がゆいです。農業はどうしても天候に左右されます。稲刈りなどは、雨が降ると作業できません。刈り遅れると米も割れたりするので、なるべく米の状態のいいときに刈りたいんですが、天候だけは自分達の力ではどうにもならないので。

― 農業の仲間や、地域の方たちとの交流は?

 会社の仲間は年の近い人が多いので話しやすく、そのぶん仕事もやりやすいです。
 地域の方との交流といいますと、やはり地権者、田んぼの持ち主の方とのつながりということになりますかね。会社自体の田んぼというのは少ししかなくて、ほとんどは地権者の方からお預かりしている田んぼなんです。
 高齢で、自分では田んぼの面倒が見られなくなって私たちに預けられる方が多いので、そういう方とお話して「頑張ってくれ」と言われると、やはり頑張ろうという気持ちになります。自分達が代わりに守っていかないと、と。

― 今後の目標は?

 最近巷でもよく言われていますが…6次産業化に力を入れていきたいです。自分は製菓の専門学校を出ているので、加工のようなことをやっていけたらいいなとは思っています。今はいちごで、ジャムを作って直売所に置いています。形があまり良くなく、規格外品となってしまったものを、加工してジャムにするんです。今後は米粉で、麺やパンなども作ってみたいと思っています。米はどうしても、割れたくずのようなものが出るので、そういうものも活かして商品にできたらなと。

― これから就農を考えている方にメッセージを。

 難しい大変な仕事ではありますが、外で体を動かすのが好きな人なら向いているのではないでしょうか。やりたいという気持ちがあれば、楽しみながらやっていけるんじゃないかなと思います。