地権者の方に安心して預けてもらえる会社経営を

氏 名
年 齢
就農地

就農年次




八田 浩一(はった こういち)

40歳
砺波市
平成20年

【法人就農】

― 現在の経営の概要を教えてください。

 「農事組合法人頼成営農組合」では、主に水稲(米)85ha、転作(大麦・大豆)40ha、リンゴ1.7haを生産しています。
 弊社では水稲とリンゴが県から認定をうけた、エコファーマーを取得しております。特に水稲が特別栽培米と言いまして、慣行栽培に比べて農薬の回数と化学肥料の量を半分以下に減らして栽培しています。富山県の気温はリンゴを栽培するのに適している最南地域になっていますので、弊社でもリンゴの栽培にも力をいれています。

― 就農して9年経ちましたが、振り返ってみての感想は?

 最初思っていたよりも、同じ年代、若い世代の農業者が結構増えてるなと思いました。
砺波市の青年農業者協議会に参加すると、同じ年代、もしくはもっと若い世代の方々もおられ、同じ農業者としてのつながりができたのがうれしかったです。また、最初のころはもう仕事をこなすので精いっぱいで、結構きついな、つらいなとばかり思っていましたが、時間が経つにつれて体力がついてきたのか、普通にこなせるようになってきて、そうなってきたら米やリンゴの品質を見るようになってきました。ここでもうちょっとこうしたら品質がよくなるのではとか思うようになってきたように感じます。

― 大変だったことは?

 天災に遭った時はいろいろ大変でした。特にリンゴがたくさん落ちて困りました。リンゴはすごく日持ちしますので、たとえば12月に収穫したフジは4月ごろまで持つんです。その時にもともと少しの傷があると、そこからどんどん痛みは広がってしまい、まったく売り物にならなくなってしまうのです。なので最初からそのようなリンゴは省いています。最近はお客様からのそんな風に選別したリンゴの評判も良くなってきていて、頼成さんのは美味しいねっていってもらえるので、すごく嬉しいです。
 6年前に理事になったときは、やっぱりいろいろなプレッシャーで、悩んだりもしましたが、一緒に理事になった同僚と力を合わせて頑張ってきました。3年前に代表理事に就任しましたが、6年前より変わったことといえば、売り上げを気にするようになったことですかね。やはり代表ですから。

― 仕事をする上で大切にしていることは何ですか?

 地権者の方の圃場をお借りして農業をしていますので、第一に地権者の方にご迷惑をおかけしないように気をつけています。今は大麦の播種をしていますが、道路に泥が落ちたら速やかに拾って田んぼに返し、道路を汚さないように注意しながら作業に当たっています。私たちはすごく恵まれていまして、この地域の方々とは大変良い付き合いをさせていただいていますが、それに甘えず、お互いが気持良く過ごせるようになど心がけています。


― これから就農を考えている方へのメッセージやアドバイスをお願いします。

 この業界は、政府の政策が変わっていっているので、この先TPP関連で水稲が平成30年を目途に、転作の割り当てに強制義務がなくなるので、先が見え辛い、厳しい業界ですが、けっして悪いわけではないです。農業は一人で始めると大変かもしれませんが、うちみたいな法人でやっているところに研修で入って、どういったことをやっているのかひとまず体験してみられるのもいいかと思います。とにかく、真面目にこつこつとやってはじめて成果が出るのが農業なので。