県で1番の和牛を育てたこだわりを聞く!

氏   名
年   齢
就 農 地

就農年次




村田 信也(むらた しんや)

39歳
富山市
平成17年

【自家就農】

― 経営の概要を教えてください。

 肉用牛の肥育、飼料および、水稲の生産、牛の糞尿の堆肥化や加工品の製造販売を行っています。現在は法人化して有限会社池多ファームとなっており生産部門は3名、加工品部門は4名でやっています。牛は現在、260頭ほど飼育しています。


― 就農までの経緯を教えてください。

 両親が牛をやっていましたが、私は工業大学へ行って卒業後には民間の会社で設計の仕事をしていました。兄が家業を継いでいたのですが、牛の加工品を販売する為にお店を出すことになったので、人手が足りなくなったことがきっかけでした。
 その頃、農業をやってみたいという思いもあったので、タイミングがよかったのだと思います。私は小さいころから牛が身近にいる環境で手伝いをしていたので、未知のことをやるイメージではなく、わりと自然な流れで働くことを決めました。牛の管理が私の仕事です。

― 牛の管理とは具体的にどんなことをするのですか?

 牛の状態を見て、病気にならないよう世話をすることです。具体的には、エサの食いつきだったり、鼻水をたらしていないか、咳をしていないかなどを1頭1頭見ていくことです。

― 仕事の中で印象的な出来事はなんですか?

 私が就農した時に和牛舎を建てて、和牛を始めたのですが、最初に出荷した牛が富山県で一番の成績をとれたことが一番忘れられないことで すね。


― 県で一番ですか?

 幸運だったと思っています。毎年冬に大会がありまして、そこに良い牛を出そうとみなさん頑張っているのですが、自分も賞を目指してやってきた し、実際に仕上げた牛が賞を獲れた時は「やっていてよかった」と、本当にうれしかったです。

― いい牛に仕上げるコツはありますか?

 まずは、成長段階に合せて、エサの量や質を見極めてあげることが一番ですね。次は、病気にならないよう気をつけることです。一度でも病気にかかると、どうしても肉質が落ちてしまいますので、注意が必要なんです。

― ご家族でやっていて良いことは?

 今までずっとやってきた親から教えてもらうことが多くあり、恵まれていると感じています。また、お互いに信頼して任せられる環境があることですね。

― こだわりはどんなところですか?

 牛の健康管理、肉質へのこだわりはもちろんですが、うちは父の代から循環型農業をずっとやってきています。これは、輸入粗飼料を使わず、自家産の粗飼料を使って牛を育て、糞尿から作った堆肥をまた飼料生産に使うという方法です。また、加工品販売に関しては「メッツゲライ・イケダ」という直売店で販売しています。

― 「メッツゲライ・イケダ」は県内にファンが多いと聞いています。

 ありがとうございます。お陰さまでドイツで賞を頂いたソーセージから、牛肉までご支持を頂いています。今お店では、加工品のカレーも出したので、それに続く商品も出していきたいと思っています。今は和牛メインですが、これからは、交雑種の赤味の肉を熟成させた「ドライエイジングビーフ」にも力を入れてやっていきます。このお店を通じて池多ファームのファンを増やしていきたいですね。