保全活動地区紹介

南砺市(旧平村) 相倉(あいのくら)

「世界遺産を守ろう」棚田景観保全活動の展開

田植え
田植え

相倉集落の棚田風景
相倉集落の棚田風景

市町村名
南砺市(旧平村)
地域振興立法指定状況
過疎地域、山村振興、特定農山村
地区名
相倉
集落活動の団体名と代表者名
「みんなで農作業の日」 in 五箇山実行委員会 奥野達夫
集落数
1集落
農家戸数
23
水田面積
2.6ha
地区の標高
400m
水源
庄川の支流 耳谷川
営農方式
個別営農
地区の現況
 合掌集落で有名な相倉地区は、国道304号線相倉口からほど近い、平成7年12月にユネスコの世界遺産に登録された国指定史跡の文化財保存地区です。本地区はその周囲を県内では珍しい石積み畦畔に囲まれ、これが合掌集落と相成って大変素晴らしい景観を形成しています。
 しかしながら、長年の風雪によるこの石積み畦畔や農業用用水路の老朽化、高齢化等による担い手不足によって耕作放棄田が増える傾向にあり、これらがこの優れた景観を阻害する要因の一つとなっています。
 そこで、この景観を保全するために、里地棚田保全整備事業を行い、維持管理の軽減を図るなど、休耕田対策へ向けた取組を進めています。また、地区住民の意識も変化してきており、休耕田をこれ以上増やさないだけでなく、耕作放棄田の復旧を図るなど、棚田保全へ向けた取組を行うようになってきました。現在では、(財)世界遺産相倉合掌造り集落保存財団を中心として、水田の耕作やコスモスの植栽などを行うことで景観の保全を図っています。
地区の活動状況
 この優れた棚田景観の維持保全を図るために、地区住民以外の方の協力も得ています。
 平成16年度には、友好都市提携を結んでいる愛知県半田市の小学生児童74名により、「棚田石垣の草むしり活動」が行われました。また、子供たちに棚田の楽しさや大切さを知って頂くために、棚田で取れたわらを使っての「わらぞうり編み」体験や棚田で収穫されたもち米での「餅つき」体験を行いました。参加した子供たちからは、「昆虫やミミズなどいろんな生物が見れて楽しく草取りができた」などの声が聞かれるなど、非常に好評であり新鮮な体験であったようです。
 また、平成17年度からは、棚田オーナー事業を実施しており、都市住民との交流から地域の活性化を目指すとともに、人手不足を補うため、農作業ボランティア団体「世界遺産棚田コーリャク隊」を結成するなど、多彩な棚田保全活動を実施しています。
 今後もこのような活動を続けていくことで、棚田保全の重要性と景観保全の意義について発信できればと考えています。