○富山湾
富山湾は、日本海側最大の外洋性内湾であり、その広さは約2,100平方キロ、最大深度は1,250m、全容積は約1,300立方キロである。
富山湾の海水は、下層には全海水の約60%を占める低温、低かんな日本海固有水(深層水)があり、その上層には東シナ海で黒潮から分岐した高温、高かんな対馬暖流系水が層重している。さらに沿岸部においては、一級河川の5大河川に加え、中小28河川から河川水が流入し、極めて複雑な水質環境を形成している。
湾内漁獲量の約70%は、この暖流系水を生棲領域とする漁業資源に依存している。
なお、本県の総漁獲量の推移は、約70%を占める定置網漁獲量のそれと類似している。これは、湾外からの来遊群の漁獲量が総量の65%に達するという富山湾での資源の利用特性で、能登半島の位置が、漁場環境として漁況のジヤンプ・エフエクト(春〜夏)とポケット・エフエクト(秋〜冬)として表れ、本県の特色となっている。すなわち、富山湾は、魚類資源そのものより、大きな地理・地形的資源があるといえる。
(富山の水産:富山県)
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