とやまの林業を知る
「林業」ってどんな仕事?
林業は、50年~100年という長い年月をかけて森林を適切に管理し、森林資源を利用しながら、健全な森林を守り育てる仕事です。
木材は再生可能な資源であり、伐採後植林するなどして次世代への更新を図り、持続的に森林資源を循環利用していくことが、林業のサイクルになります。
また、近年は、地球温暖化防止対策など森林の持つ多面的機能の高度な発揮のためにも、林業は重要な役割を果たしています。
主伐・間伐後には、搬出・運搬、及び販売・加工があります。
「雪起こし」について
「雪起こし」は、積雪によって倒れたり、曲がったりした木を縄を使って1本ずつ、人の手で起こし支える作業です。積雪地帯特有の作業で、縄の運搬や木の引き起こしなど大変な重労働ですが、積雪地帯で林業を行い、良質な木に育てるには欠かせない作業となります。
働く林業機械 ― 高性能林業機械の活躍 ―
一昔前までの伐採現場というとチェーンソーで伐倒し、索道で搬出が一般的でしたが、最近は高性能林業機械の導入により、随分労働強度が軽減されるとともに効率も良くなってきています。
現場漫画「林業よススメ!」(平田美紗子) 協力・林野庁林野図書資料館
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ハーベスタ(伐倒・枝払い・玉切り・集積)
従来チェーンソーで行なっていた立木の伐倒、枝払い、玉切りの各作業と玉切りした材の集積作業を一貫して行う機械。
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グラップル(集材、仕分)
作業道や土場などで、伐採された木や玉切りされた丸太の集積、積込を行う機械。
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プロセッサ(枝払い・玉切り)
林道や土場などで、全木集材されてきた材の枝払い、測尺、玉切りを連続して行う機械。
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フォワーダ(集材)
玉切りした短幹材をグラップルクレーンで荷台に積んで運ぶ集材専用の機械。
女性も活躍!
近年、高性能林業機械の導入などにより、安全性能向上、作業環境の改善が図られ、女性の就業先として、「林業現場」が注目されつつあります。富山県において、森林組合の職員として就業し、森林施業プランナーとして活躍している女性を紹介します。
森林所有者さんの信頼を得て地域の山をよくしたい。
瀬川瑠衣子さん(富山県西部森林組合)
富山県西部森林組合は、本所、砺波支所、高岡支所、氷見支所で構成され、それぞれが地域性を活かした特徴を持っています。瀬川さんは高岡支所に就職し認定プランナー資格を取得しました。現在はプランナーとして間伐施業の森林経営計画地のとりまとめ、作業道の路網選定、施工管理、さらに天然林の更新伐(老齢化した広葉樹を70%伐採・搬出し、若返りを図る)も手がけています。
「はじめての森林所有者さんへの説明会でうまく説明できなくて悔しい思いをしました。でも2回目の森林整備の報告会で“ありがとう。またよろしくね”と声を掛けていただいてとても嬉しかった」と瀬川さん。南部支所長も「森林所有者さんの信頼もあり、良い部下に恵まれました。今後は女性プランナーも増やしていきたいです」と評価します。「プランナーとして勉強することがいっぱいある。今後は山をよくするために様々な資格取得を目指し、勉強していきたい」と瀬川さんは抱負を語ります。
林野庁「女性が活躍する林業の仕事ガイド ‒ 森を育て、木を届ける仕事 ‒」より抜粋
イラスト出典
- 平田 美紗子
- 林野庁の職員としてたくさんの人、特に子供たちに、日本の森や林業のことを知ってもらうべく、様々なイラストで情報を発信しています。
また、全国各地の図書館を始めとした公共施設と連携し、
企画展示等を通して、足元からの森林・林業応援活動を展開中。