先輩就農者の声
先輩就農者の声
何も分からずに先入観なく始めた農業はすべてのことが新鮮でした
経営の概要を教えてください。
メインのお米が30ha、大豆が13ha、飼料米が5ha、大麦が1ha。 イチゴのハウスが二棟と、アスパラガスが20a。
寺﨑さんの就農のきっかけは?
結婚して子育てと出産のタイミングが重なったこともあり、勤めていた会社を辞めました。ちょうどその頃、主人が家の仕事を継ごうかなと思っていた時期でもあり、私もその話にのったことがきっかけでした。
農家の家に嫁いだときに、農業をすることは想像されていましたか?
嫁いだ時は自分が農業をやるとは思っていなかったし、家族からも特に何も言われなかったので会社勤めを続ける気でいました。主人はサラリーマンだったのですが、休みの日に手伝ったりしていたので農作業の経験はあったんです。サラリーマンの仕事と比べて「こっちの方が面白いんじゃないか?」と思ったのが就農のきっかけだったそうです(笑)。私はまったく農業のことは分からなかったのですが、今となっては何も分からずに始めたのが良かったとも思っています。
それはどんな点で思われましたか?
何の先入観もないので、すべてのことがとても新鮮に感じました。作業に関しては家族が教えてくれるし、新しいことだったので素直に受け入れることもできたんです。教えてもらえる人が身近な人っていうのも、いい環境だったと思っています。わからないことも聞きやすいですからね。
平成30年に法人化された理由は?
人を雇用して経営を安定化させたいのが法人化の目的です。家族経営だと、誰かが駄目になるとすべてが崩れてしまいます。従業員を雇い、そのリスクを分散させることを考えました。あとうちは土地を借りて田んぼをしています。この土地も将来、誰かが守っていかなくてはいけないって思っているので、法人としてこの地域の土地を守っていきたいなという考えもありました。
農業へのこだわりを教えてください。
顔の見える生産者になりたいと思っています。直売はもちろん、インターネットで購入されるお客様には、私たちのことを知ってもらえるようブログで日常風景を綴っています。顔の見える生産者であることをセールスポイントになるよう、今後もいろいろ工夫をしていきたいと思っています。
農業のやりがいと辛い部分、それぞれを教えてください。
お客さんから「美味しかったよ!」と声をかけてもらうことが本当に嬉しいんです。またメールなどで「美味しかった」「またお願いします」と、温かい言葉をいただいたりもします。これが私たちの励みになりやりがいに繋がっています。辛いことは、天気を相手にしている仕事なので、思うように作業が出来なかったりすることですね。自然相手なので仕方ないことだと気持ちを切り替えますが、作物がうまく育ってないのを見ると、やはり残念です。
寺﨑さんの今後の目標を教えてください。
お米はより品質の良いものを作っていきたいです。またイチゴやアスパラも安定して美味しいものを作れるようになりたいですし、品目もさらに増やして自宅直売所をにぎやかな雰囲気にしていければと思っています。
就農を考えている方に、メッセージをお願いします。
とりあえずやりたいと思ったことはやってみればいいと思います。作物はすごい生命力があるので、種をまけば芽が出て、それなりには育ってくれるのでやりたいと思った時に種をまいてもいいんじゃないかなと思います。でも農業を営むことに関しては、よく考えて周りの先輩農家だったり振興センターの方だったり、いろいろな人に相談をして決めることが必要なんじゃないかなと思います。