先輩就農者の声
先輩就農者の声
プランや目的を持ち実現するために何が必要か
販路を確保することも重要
経営の概要を教えてください。
米が25ha、チューリップは球根が1.2ha、切り花が15aほどです。
高畑さんの就農の経緯を教えてください。
実家がチューリップ栽培を行っていました。僕はコンピューター系のプログラマーとして働いていたのですが、父が病気になった際に農作業が滞ってしまうということで急遽、仕事を辞めて手伝う形でやり始めました。
幼い頃から近い場所でお父様の作業を見られてはいたのですか?
見ていましたし、手伝いもしていました。学生の頃は農家になろうとは一切思ってはいなかったのですが、家の跡取りだと言われ続けていたので、跡取り=家業を継ぐということは頭の中にずっとありましたね。
いつかは継ぐという覚悟は持っていらっしゃったということですね。
嫌でしたけどね(笑)。でも、本業がちょうどいろいろ行き詰っていた時期でもあったので、安易な考えでやり始めたところはあります。
実際に仕事を始められたとき、全く初めての作業でもなかったんですよね?
細かいところは初めてのこともあったのですが、大学を卒業して就職してからも忙しい土・日はトラクターの運転もやらされていましたので、作業としては慣れている部分もありました。基本、母がずっと仕事をやっていたので、これをしろあれをしろと、言われるままにやっていたところもあります。
就農後、気持ちの変化はありましたか?
最初は特に何も考えず、やらなきゃいけないことをやらなければという感じでした。でも今はとにかく収益を上げたい一心です。会計も自分で計算することになるわけですよね。収益換算すると「どうなってるの?」と思うことがあったりして。これは何とかしていかなければという気持ちに切り替わりました。
経営者としての自覚が芽生えたという感じですね。
まだまだな部分もたくさんありますが、お金のことに関しては一番自分が意識していかなくてはいけないと思っています。
今までの経験が活かせる部分もあるのでは?
今すぐに活かせることはないです。目の前にやることが多すぎるということもあり…。でもいつか、ビニールハウスの温度管理なども遠隔で操作できれば楽だなとは思っています。あと、販売管理や品質管理、経営状況も管理できるようソフトを作ってみたいなという気持ちも持っています。
自家就農におけるメリットとデメリットを教えてください。
メリットは、機材が十分にあることだと思います。初期投資がありませんからね。デメリットは、負債があればそれも背負わなくてはいけないということ。なので、できるだけあるものだけを使いながら出費を抑えていくことを心掛けるようにしています。折を見て切り替えられるようにもしていきたいですね。皆さんやっていることだとは思うのですが、ここはシビアに行っていきたいと思うことです。
仕事のやりがいを教えてください。
自分たちが作ったものを喜んで買ってもらえることが一番嬉しいです。
就農を考えている方に、アドバイスをお願いします。
農業をやる条件は年々厳しくなっています。安易に農家をやるのではなく、先にある程度プランや目的を持ってください。それを実現するために何が必要か、販路を確保することも重要だと思います。農業関係の人たちに相談をして、いかに自分の売りたいものが売れるかという考えをしっかりと持つことが重要ではないでしょうか。もちろん自分で良いものを作るというのは最低限のこと。その後の売り先や買ってくれる人たちを確保することが、とても大事な部分ではないかと考えます。