先輩就農者の声
先輩就農者の声
人の心に刺さる感動が残るような商品を作っていきたい
経営の概要を教えてください。
温室の鉄骨ハウス、ビニールハウス、山の方に農場も借りています。ハウスでは一年草や野菜苗など季節ものが多いです。春は花苗、野菜は茄子、トマト、きゅうりをメインに育てており、花はマリーゴールドやベゴニア、サルビア、ペチュニア、秋はパンジーとビオラ、そのあとシクラメンを出荷しています。真冬はクリスマスローズも登場します。
松浦さんの就農のきっかけは?
父の代より、花の苗を生産していました。幼い頃から父の姿を近くで見てはいたのですが、特に継いでほしいとも言われなかったので、大学を卒業した後地元の会社へ就職しました。勤めて数年が経った頃、徐々に農業に対する想いが強くなっていくのがわかり、入社から4年後に、就農を決意しました。
ずっと見ていたお父様の日常の風景が、心のどこかに根付いていたのですかね。
どうでしょうね(笑)。ただ他の人から見ると特殊な環境で育ったように見られますが、私からすると生活と直結していた当たり前の風景でした。農業は私にとってごく普通の生活の一部としか思ったことがありません 。
就農された時は、要領もある程度わかっていらっしゃったんですね。
至らないところはたくさんあるのですが、まったくわからないところから始めたわけではなかったですね。小さい頃からハウスの掃除もしていましたし、大学生になっても手伝いは続けていましたから。
仕事に対する姿勢など、お父様からの印象に残る言葉はありますか?
なかなか達成できていないのですが、父からはよく「当たり前のことを当たり前にできるように」「日々勉強」ということを強く言い聞かせられてきました。今、仕事をする上で自分が大事にしている部分でもあります。
仕事のやりがいを教えてください。
お客様の声はモチベーションになりますね。野菜苗を買っていただいたお客様に「今年はいっぱい収穫できてよかったよ」とか「美味しかったよ」と言っていただけることが、何よりも嬉しくやりがいを感じられます。
自分で農業をやるということは、強い意志と責任を持ってやらなければいけません。その上で目標を超えた時の達成感はサラリーマン時代とはまた違うものを感じられています。
法人のメリットとデメリットは?
名義変更もないですし信頼も大きくなります。法人化することで厚生年金に入れるとか、一般企業として見ていただけるのも非常にありがたいです。デメリットは法人格というものが出てくるのでそれをしっかりと維持しなくてはいけないことでしょうか。かかる税金だったり社会的責任だったり、負担は多少なりあるとは思います。縛られる部分もありますが、その分しっかり保証もされています。
今後の目標を教えてください。
苗を買って頂いたお客様がうまく育てられ美味しかったと言っていただけるような、人の心に刺さる、感動が残るような商品を作っていきたいです。お客様に喜んで頂ける商品を常に追い求めていきたいなと思っています。
これから就農を考えている方にアドバイスをお願いします。
私は大学を出て、社会人経験をしてから農業の世界に入りました。他の会社に入って世の中を知ることはとても大事な経験値だと思います。誰かがやっていたからやってみようとか、家族がやってるからやらなきゃいけないとかではなく、世の中を知っていろんなことを経験して、やっぱりそれでもやりたいなら農業をされたほうがいいと思います。中途半端な気持ちでやると、大やけどでは済まないと思いますので(笑)。あとは、没頭しすぎないこと。周りが見えなくなっちゃうと危険な職業でもあります。自分の状況を俯瞰できるようになることも大事ですね。