先輩就農者の声
先輩就農者の声
営農組合のように地域に根差して大規模で行う農業に魅力を感じました
経営の概要を教えてください。
主穀作中心の営農組合で、水稲は42ha、大麦18ha、ネギを露地10aとハウス2棟で作っています。
中川さんの就農のきっかけを教えてください。
大学を卒業後、東京のNPO団体である「ふるさと協力隊」に参加したんです。1年間、地方の農村でボランティアをするという事業で、大学の先生から紹介されて入りました。その派遣先だったのが高岡市でした。
大学では農業の勉強をされていたのですか?
はい。農業経済を学んでいました。農地法のことや6次産業とか。
そもそも中川さんが農業に興味を持たれたのは何がきっかけだったんですか?
高校生の時に起業ブームがあったんです。そこに憧れたのが大きなきっかけですね。社会に出るのは6、7年後と見据えた先を想像した時に、ITはもう飽和状態なのでは?と考えたんです。その逆の発想で考えた時に『あ、農業がいいんじゃないかな』と(笑)。
高校生ですごい発想をお持ちだったんですね(笑)。実際に協力隊で高岡に来て、どんなことをされていたんですか?
1年の任期の間に、活性化センター、国吉りんご、里山交流センター、頭川集落のお手伝いをしました。中でも活性化センターで働くのが楽しかったです。その経験から、個人でやる農業よりも営農組合のように地域に根差して大規模で行う農業に魅力を感じ始めました。
見知らぬ土地での就農ですが、すぐ地域に馴染むことはできましたか?
本当に地域の皆さんよくしてくださるんですよ。家に呼んでご飯を食べさせてくれたりとか、困ったことがあれば相談にのってもらったりとか…。県外や他所から来ても、会社に所属することで地域の地盤がある分信頼してもらうことができるんだなと思いました。
法人での就農で、やりがいを感じられているのはどんなところですか?
私は経営継承をしてもらうつもりで入っています。なので仕事は、農作業だけでなく、総務、経理、田んぼの地主さんのこと、国吉地域のことを全て勉強するつもりで取り組んでいます。今、国吉地区の農家は個人の方ばかりなのですが高齢化も進み、皆さんどんどん田んぼをやめられていくんです。条件の悪い田んぼから手放す傾向にあったのですが、それも引き継いできたのでこの地区では最近、いい条件の田んぼばかりが出てくるようになったんです。そういう田んぼを全部引き受けることを前提に、日々取り組んでいるところです。
中川さんの農業へのこだわりを教えてください。
無駄な作業が多かったところや手が回らないところは、機械でできることを中心に効率よくやるようにしています。またアルバイトに来ていただく方はしっかりとタイムカードで管理し、保険もかけ働きやすい環境作りを心がけています。田んぼも人も、きちんと管理する。責任を持つということがこだわりですね。
今後の目標や夢はありますか?
ドローンも取得したので、農業とうまく組み合わせながら、また農業の範疇にとどまらない経営の多角化を目指しています。今はこの営農組合で本当に自由にやらせてもらっていて、個人で仕事をいただくこともあるんです。株式会社化も念頭に置いて、いろいろ進められたらと考えています。
就農を考えている方にメッセージをお願いします。
例えば僕のように県外から来た場合も、地域に密着した営農組合のようなところに入ることでゼロからのスタートではなくなるんです。地域に根差す目的も含めて、第三者継承という形で就農するのはいい形なのではと思いますね。農業をされている人は、みんな優しい人たちばかりです。とにかく仕事を一生懸命やっていれば大丈夫。誠実に頑張るのみだと思います。