先輩就農者の声

先輩就農者の声

自分たちが作ったものをしっかりとお客さんに説明しながら販売できるのが直売のいいところ

経営の概要を教えてください。

メインの水稲が約30ha、あと大豆が12.6ha、果樹は桃とリンゴが各0.6ha。野菜は里芋を0.9ha。イチゴはハウス栽培で、単棟が2棟と連棟が1つあります。

藤城さんが農業を始められたきっかけは?

平成24年の秋に、農協で米を運ぶアルバイトを始めたんです。その後もアルバイトを続けたいと話していたら、今の職場を紹介してもらったというのがきっかけ。場所も家から近所だったこと、また組合の代表が僕の祖父の農協時代の後輩にあたるということも重なり、働きやすい環境だなと思いました。これもご縁ですね。

就農前はどんなお仕事を?

携帯電話を販売する店で働いていました。主に接客が中心です。

となると、今のお仕事でもお客様との会話はお手の物ですね。

そうですね。この組合で働き8年が経ちますが、長く働けている理由の一つになるのかもしれないのですが、組合で作っている米、野菜、果樹は基本的に直売なんです。自分たちが作ったものをしっかりとお客さんに説明しながら販売できるのがいいところ。これは前職の技術を活かせられている部分でもあるのかなと感じています。

毎日どのような作業をされていますか?

うちは一人一人に持ち場を決められているわけではなく、誰でもどんな作業でもできるよういろいろな仕事を任せられるんです。唯一、冬場の果樹の剪定だけは僕がやらせてもらっています。剪定はある程度の技術が必要なのですが、僕が入社した頃にやり方を先輩から教えていただけたという経緯もあって。

ラッキーでしたね。

そうなんです(笑)

これまでに仕事が辛いと感じられることはありましたか。

気持ちの面でのことなのですが、僕は従業員として会社へ入っているので、他の農業者の集まりがあったときに自営業の方よりも農業者としての意識がまだ低いのではと感じることがあるんです。意識の差があるというか…それを感じてしまう時は辛いなと思いましたね。

農業でやりがいを感じられるところは?

やはり、直接お客さんの顔を見て作ったものを販売できるところです。目を見て会話をして買っていただく。生産者としてはやはりここにやりがいを感じられるのではないでしょうか。

楽しそうにお仕事をされていますね。

はい。基本的には楽しいです。従業員は同年代が多く、年齢は30代が多くを占めています。ただあまりにも年が近いと、関係性がなあなあになることも。なので、自分の技術を磨き、仕事をしっかり回せるような努力をし、仕事に関しての先輩・後輩関係はしっかり確立させているつもりではあります。

藤城さんの農業に対するモットーを教えてください。

美味しいものを提供することはもちろん、直売を通してお客さんに言葉で思いを伝えること、ですかね。あとは、手を抜かず、真面目にやることがこだわりです。変に楽をしたりせず、コツコツと当たり前のことをちゃんとやる。農業の業界は機械化も進み、どんどん省力化を求める傾向にあります。ただ、先代がやっていた大変な手作業はまず身を以て体験してみたいと思っているんです。苦労してみた上で「ここは省いていいかな」と判断していきたいです。

今後、農業法人に就農を考えていらっしゃる方に向けてメッセージをお願いします。

実際自分で感じていることで言うと、法人の従業員という立場は、自営業の方と比べると責任は少ないと思います。ただ、農業をやる上では同じ“農業者”という立場でモチベーションを保ってほしいですね。今は新型コロナの感染拡大や米の価格の低下など、業界全体が辛い環境にあります。天候にも悩まされることも、自然相手の仕事ならではのストレスです。そんな中でも楽しみを見つけながら頑張っていってほしいと思います。

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