先輩就農者の声
先輩就農者の声
作ったものはお金に変えられる
あとはいいものが作れるかどうか 技術部分を追求していきたい
経営の概要を教えてください。
小松菜のハウスが22棟。露地の畑は92a。主にネギを作っています。新しい5棟のハウスでは、レタスやブロッコリー、春菊、かぶなどを作っているところです。
就農の経緯を教えてください。
調理の学校を出て、飲食店で働いていました。飲食店に入ったのはいつか自分でお店を持ちたいと思っていたから。経営面も学べるよう、店長やマネージャーを務めさせてもらっていました。30歳での独立を目標にして、予定通り30歳で辞めて就農しました。
なぜ、農業で独立をされたのですか?
祖父母の畑がある地域は後継者不足が顕著だったんです。土地はあるけど、農業をやる人がいなかった。あと僕自身、独立して飲食店をやるかどうかと考えた時がちょうど産地偽装の問題や賞味期限改ざんなどが話題になっていた時期でもあったんですね。しっかりしたものを求められる世の中なのに、僕はどこからどう商品が入ってきているかをほとんど知らなかった。でも、そのことを考えたことがきっかけで農業に興味を持っていきました。独立の支援金制度もあったので相談しにいった結果、これならできるかなと。飲食店経験の知識や人脈も無駄にならず、むしろ活かせると思い独立を決意しました。
独立して何を作ろうと考えられたんですか?
初めは100種類くらい作ってみたんです。そこから経営として成り立つものに絞っていきました。2箇所ほど研修にも行き、自分と相性が良かった小松菜を選びました。
最初は一人で?
すぐに人員を募集しました。自分の中では研修先がモデルになっていて、大体どれだけの規模で何人必要という指針があったんです。最初は4、5人でしたが、技術が上がっていくと同時に人も増やしていったという感じです。今は10人前後で作業をしています。
農業のやりがいはどのようなところに感じられていますか?
こだわり、愛情を込めて作ったものはすべてお金に変えられるところです。なので、いいものが作れるかという技術部分を追求していきたいですね。
山崎さんの農業のこだわりを教えてください。
一つ目は、安心安全なこと。農薬や化学肥料はなるべく抑えつつ、商品として納得のいくものを作っているつもりです。二つ目は、効率を上げながら、安心安全なものを手頃な価格で販売する。三つ目は、安定した量を出荷することです。
就農して、自分自身変わったなと感じられるところはありますか?
あまり変わっていないです。というか、僕は考えや信念がブレないよう心がけています。頑固なんです(笑)。
今後やってみたいことや目標を教えてください。
丈夫な会社にしたいです。そのために、今後は従業員を何人か雇いながら、もう少し規模を大きくして基盤をしっかり作っていきたいと思っています。
就農を考えている方にメッセージをお願いします。
農業をやりたいだけなら農業法人への就農でもいいと思うんです。自家就農は少なからず社長となるので、農業経営者としての能力も問われます。作物を作るだけだと思っていると苦労します。なので、やるなら計画はしっかり立てたほうがいいと思います。また5年先、10年先にはどうなっているかも描いてきました。あと、貯金をしっかりすることは大事です。それが農業だろうが飲食だろうが。何するにしてもお金が必要なことには変わらないので。独立には、しっかり計画を立てることと、その計画を信じてやれる覚悟が必要だと思います。