先輩就農者の声

先輩就農者の声

会社勤めのような気疲れもなく
自分でやりたいようにできるのは魅力

経営の概要を教えてください。

50頭牛舎に50弱の牛がいます。育成牛は20頭。生産量は1日約750kgを搾っています。

高桑さんは何代目になられますか?

僕で3代目です。祖父の代からはじめました。

酪農を継ごうと思ったきっかけは?

大学を卒業後はフリーターをしていました。何の仕事に就こうかなと考えた時、家が酪農をしていたので、それもありかなと考えて。

大学ではどんなことを学ばれていたのですか?

畜産大学の経済学部にいました。大学では牛の飼い方など、経営面のことを勉強していました。

家業を継ぐにあたり、準備されてきたことはありましたか?

フリーターを経て、富山県の畜産試験場で2年ほど勉強させていただきました。その後、肉の加工会社で2年ほど働き、家に入ったという感じです。就農して今年で9年目になります。

就農してみて、大変だった出来事はありますか?

入った当初は毎回知らないことだらけで、いろんなことが難しいと感じました。特に人工授精です。なかなかうまくいかないことが続き、本当に大変でした。『いつになったら上手くできるようになるんだろう』って、不安でしたね。あと、牛が連続で死んでしまった時も『これ以上減ったらどうしよう』という心配で頭がいっぱいでした。

それらの困難は、どう乗り越えられてきましたか?

もうやっていくしかないと。今後も毎日続くわけではないしと考えました。あとは獣医さんのアドバイスや、周りの人の意見をちゃんと聞いて乗り切ってきたように思います。

自家就農のメリットとデメリットを教えてください。

会社で働いていた時は、わからないことを上司に聞くのが苦手だったんです。それでまたミスしたらどうしようと考えたりも…。でも自家就農だと上司が家族なので、気兼ねなくわからないことを聞くことができるので楽ですね。反対に、家族だから言いすぎたりすることも多いのですが(笑)。

仕事のこだわりを教えてください。

牛乳は人の口に入るもの。良くないものは絶対に出さないよう、しっかりといいものを生産しようという考えでやっています。

就農してから、自分の成長を感じられることはありますか?

この仕事をするようになってからかどうかはわからないのですが、酪農の仕事は毎日餌をやり搾乳をしないといけないため、休みがあまり取れないんです。『たまには出かけたいな』とか『仕事のことを何も考えたくないな』という時期もあったのですが、今は本気でその考えを持つことはなくなりました。自分たちが世話をしないと牛も自分たちも生きられないという思考になったんです。そういう意味では強くなったかなとは思いますね。ただ心配事も増えましたよ。以前は心配な牛がいても『やることはやったから、あとはもうしょうがない』と考えることが多かったんです。でも今はやることをやってもまだ心配。経営者という立場になってから、より牛のことを考えるようになりました。

今後、取り組んでいきたいことはありますか?

今、牛の数が少なくなってきているので、もう少し増やして牛舎最大まで増やしたいです。あと今年から、雌雄判別精液を使って人工授精を行っています。後継の雌牛を増やして、生産量も増やせればいいですね。

最後に、自家就農を考えている方へメッセージをお願いします。

あまり人との付き合いが得意ではなかったので、家族と仕事をすることによって言いたいことも言えるし、言いやすい環境にもなりました。会社勤めのような気疲れはないですね。経営される方は、全部の責任を自分で負わなければいけない面もありますが、自分で好きなようにやりたいようにできるのは魅力だと思います。

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