先輩就農者の声

先輩就農者の声

好きこそものの上手あれ  好きを続ける努力が試される

経営の概要は?

ブドウは20品種50aを栽培し、干し柿は50aを栽培・加工しています。ブドウはできるだけ多くの品種を栽培し、収穫作業が集中しないよう、またお客様を飽きさせないよう工夫しています。

就農のきっかけ、就農までの経緯、就農の際の準備は?

大学を卒業後、研究者を目指しましたが、色々と挫折を経験し、故郷に戻ることとしました。
母のブドウ栽培を手伝ったことがきっかけです。自分で栽培した作物を直接お客様に買っていただき、食べてもらうというダイレクトな仕事にまず惹きつけられました。また、近隣のブドウ直売所を見て回り、ブドウの種類の豊富さと華やかさに魅せられました。そして我が家の店にも色鮮やかなブドウが並ぶことを夢み、ブドウ栽培を引き継ごうと決意しました。また、父が亡くなって、柿畑をずっと管理していた先輩農家の方が、干柿を引き継ぐよう勧めてくださいました。素晴らしい干柿を生産する先輩を以前から尊敬しており、指導のお願いと併せ、この生産も決意しました。

就農後の感想は?

ブドウに関してはまったくの素人だったので、技術の収得に当たっては、研修先の先生から見て学び、真似、実践することが基本でした。また、参考書や技術書には一通り目を通しました。最近では、同業者の仲間との情報交換が大きな学びの場となっています。試行錯誤で失敗することも多々ありますが、目標に向かって進むことは楽しいことです。
今では、ある程度獲れるようになり、自然とお客様が付き、名前が売れるようになりました。「美味しい」と言ってもらうと大変嬉しいですし、また頑張る気力が湧いてきます。

現在の仕事の内容、モットー、これからの目標は?

常に優先順位を考えて仕事するようにしています。作業もそうですし、販売もそうです。
ブドウの売り上げの8割りは直売です。品種が多く、味はもちろんのこと、目でも楽しんでもらえる売り場を目指しています。今後は売り場を改修し、お客様がブドウ園をもっと身近に感じて、ゆったり過ごせる時間・空間を提供できればと思います。

これから就農する(就農を考えている)方へのメッセージ・アドバイスをお願いします。

農業を楽しむ努力ができない人は続かないと思います。失敗するときや儲からないとき、天災に遭うときなど苦しい時は必ず訪れます。「農業が好き」とは素直に言えない瞬間がやってくるのです。そんなときは身が削られる思いで取り組むしかありません。農業はなかなか私たちの思い通りにはなりません。むしろ、作物の生理や天候に合わせ生長を助ける管理や作業だからです。
わたしは作物、天候、土などを観察し、手を加え検証し、また手を加え検証するといったプロセス自体や変化の発見を楽しんでいます。楽しむためには柔軟に課題を立て、粘り強く取り組む姿勢が不可欠です。ひらたく言うと、農業を楽しむには勉強と忍耐が必要だと思います。

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