先輩就農者の声

先輩就農者の声

幅広い仕事を請け負うことで、安定した経営を。

現在の経営の概要を教えてください。

 株式会社シムテックは、私の父が代表を務めていまして。私と、他に従業員が1人、パートが1人おります。
 経営面積は稲作が約40ha。品種はてんたかく、コシヒカリ、てんこもりです。他にWCS(稲発酵粗飼)1ha、やまだわら(飼料用米)約10ha作付けしています。また農業が手すきになる冬の間は、道路の融雪剤の散布もしています。
 それとは別に、余川営農組合の組合員として施設の運営に携わっていまして、他の米農家さんへの苗作りや乾燥調製作業を請け負っています。

就農までの経緯を教えてください。

 もともとは家が、祖父の代から米農家で。私が小学生の時に祖父が他界して、父が跡を継ぎました。最初は兼業でやっていたんですが、年々田んぼをやる人も少なくなって、請け負う面積がどんどん拡大していって、そのうち専業でやるようになって。
 一方で私は、最初は全然就職するつもりはなくて、大学も県外の経済学部に行っていました。ゴールデンウイークや夏休みに帰省して手伝うくらい。でも、いざ就職を考えた時に、何となくUターンかなと思ったんです。その頃ちょうど実家の仕事が忙しくなっていて、じゃあ、家に帰って農業をやるのがいいかなと。

一年間の仕事の流れを教えてください。

 3月末には種蒔きが始まります。とにかく田んぼの面積が多くて、育苗枚数で言うと16,000か17,000超えるくらい。種蒔きは18回やってますね。田植えが始まるのが4月中頃。それから6月下旬くらいまで2ヶ月くらいは田植えをして、終わったら急いで溝切りや草刈り。
 あっという間に次はWCSの刈り取りで、それが終わりきる前、お盆頃にはもう稲刈りをされる方がいるので、私は乾燥調製作業に回ります。乾燥調製は10月末まで行います。
 その後は作業場の片付け、田んぼをあちこち直したり、機械の整備もして。そのうちに融雪の仕事が入ってきて、それが大体3月の中頃くらいまで続いて…。また、1年通して飼料米の粉砕と配達を定期的に行います。だから年中忙しいですね。

生産物はどのように販売していますか?

 WCSは氷見牛の畜産農家さんに。米は、営農組合で請け負った農家さんのお米は農協まで配達もしますが、うちの米はほぼ石川県の米屋さんに卸してます。
 フレキシブルコンテナといって960kgの米をそのまま出せる大きなコンテナがあるんですが、米屋さんはこのコンテナでの出荷を受け入れてくれる。袋詰めの手間を省けるんです。でも農協は、昨年まで30kgの袋じゃないと駄目というのがあったもので。買取価格も米屋さんのほうがいいですし。

今後の目標や抱負、新たに取り組んでみたいことはありますか?

 まずは面積拡大です。かつ品質も落とさずに…そのためには従業員も増やしたいですし、他の農産物や別の品種にも取り組んでみたいなという思いはあります。現状はなかなか難しいですが、理想として。

これから就農を考えている方へのメッセージやアドバイスをお願いします。

 正直、農業環境は年々悪くなってるなと思います。この辺りも害獣被害がかなり増えてきていますし。甘くない世界なので、就農するということについては冷静に考えてほしい。
 いきなり就農という形でなくても、まずは家庭菜園や、土日や繁忙期だけの農家のアルバイトをやってみる手もあるんじゃないでしょうか。