先輩就農者の声

先輩就農者の声

農業の可能性は無限大!

現在の経営の概要を教えてください。

 家族経営で、基本的に父と私の二人でやっています。父から名義変更しまして、今は私が代表でやっています。
 全部種子で、水稲が14haで、大麦が5ha、大豆が、請負耕作で8haほど作っています。水稲も人の田んぼを借りて作っているんですけど、大豆に関しては麦の後に休んでいる田んぼを使わせてもらって、大豆を植えています。

家業を継がれたということ?就農するきっかけは何だったんですか?

 工業高校の電気科を卒業して、そのまま高岡の電気屋に勤めてたんです。家業(農業)の仕事をするのは嫌だとずっと思っていて。親子ってそんなものじゃないですか。反骨精神というか、自分は自分で飯を食っていくぞと、親のレールには敷かれないぞと思っていたんです。それで電気屋に就職して、10年間勤めて。
 それが、父がちょうど還暦過ぎた頃「足が痛い」と言い出しまして。足を引きずりながら、あー農業つらいなーって言ってて。それで、農業続けるかどうしようかとか、使ってる機械を捨てるのもったいないなと思いまして、父親の蓄えた通帳を見ましたところ、いや、農業って儲かるんやなと。それならもう自分も農業で勝負していこうかなと。
 後に聞くと、あの時の父の「足が痛い」は嘘で、ほんとはケガでも病気でもなく、全く大丈夫だったんです。あの時は、私に農業をさせようと思って嘘をついていたようなんです。今となっては、笑い話ですけど。

就農の前後で、農業に対する思いやイメージに変化がありましたか?

 実際農業をやってみて思ったのは、富山県は若手農業者の育成に力を入れていることもあってか、若い農業者がすごく多いんだなということ。そして皆、農業に対する熱い思いや悩みをそれぞれ持っている。農業をしているからには、こうやって儲けてやろう!とか、これで一旗あげよう!とか。頑張って、将来は高級車に乗るのが夢だとか。
 そういうのでこの仕事をやってる人もいれば、美味しいものを作りたい、美味しいものをみんなに食べさせたいという思いの人もいるし。結構農業って熱いんだなと思いました。

農業の仲間がたくさんいらっしゃるんですね。具体的にはどのような交流を?

 富山県青年農業者協議会に参加していて、5、6年前には県の会長を務めました。自分の名前を売りたいというのもあったし、またいろんな人の農業を見てみたい気持ちがあって。
 協議会に参加していると農業に対する思いを発表する意見発表、研究成果を発表するプロジェクト発表というものがあって、すごく勉強になるし刺激にもなる。自分が会長の時には、その全国大会を富山でやらせてもらいました。

農業をやる上でのこだわり・モットーなどはありますか?

 私は種もみ農家なので、発芽率や苗質の良い種もみを作ることが第一です。我々のお客さんは農家さんですから、農家さんが喜ぶ、良質な種もみを提供することが使命だと思っています。そのためには手作業の多い、丁寧な仕事が必要なので、そういったことを徹底しています。

これから就農を考えている方へのメッセージやアドバイスをお願いします。

 農業って可能性が無限大にあると思うんです。いろんな種類の農業があるし、ビジネスチャンスに溢れているというか。その中で自分がどんなことに取り組んでいくのか、しっかり見定めていってほしい。
 それにはまず、こういうものが食べたいとか、こういうものを育てたいという思いが大事ですよね。思いをもってそれを追求していく。そうすれば人は認めてくれるんじゃないかなと思います。

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