先輩就農者の声
先輩就農者の声
農業を通して、障害者の方の力になりたい。
現在の経営の概要を教えてください。
こまつな菊ちゃんハウスにはビニールハウスが36棟ありまして、そのほとんどでこまつな、ホウレンソウも少し作っています。また梨園が40aほどあります。従業員数はパートさん含めて20名弱で、女性の方が多いですね。
経営の特徴やセールスポイントは?
こまつなは周年栽培をしています。たくさんハウスがあるのでローテーションで、こっちのハウスでは種蒔きして、こっちのハウスでは収穫というふうに。
こだわりは土作りでしょうか。ここはもともと田んぼだったところなんです。だからバーク堆肥という剪定した木の枝を堆肥にしたものを入れて、畑の土になるようにしています。
就農までの経緯を教えてください。就農したきっかけは?
昔から、何か障害者の方の力になれるような仕事がしたいと考えていて。高校生の時にたまたまニュースで、県外のぶどう園で障害者の人達が働いておられるのを見て、いきいきしていていいなあと思ったのがきっかけです。障害者の方と農業をやってみたいと思いました。
それで大学も県外の大学の農学部に行きまして、ただ卒業後すぐに就農はせず、まずは県の臨時の職員として働きました。それから転職して、障害者の方の就労支援をする仕事をして…。その職場で、こまつな菊ちゃんハウスが障害者の方を雇用していることを知ったんです。ここなら自分の目指していた夢にぴったりだと思って、就農しました。
仕事をする上で、特に気をつけておられることなどありますか?
一番は、従業員の皆さんが働きやすい環境を整えていくことです。年代も様々ですし、子育て中の方もおられたり、いろんな個性を持って働いておられる方も多いので。それぞれが希望される働き方に対応できるよう、気をつけています。
今後の目標や抱負は?
これからハウスが増える予定なので、増えても安定して生産できるようにしたいというのと、他に、露地でも野菜を作ってみたいというのもあります。今年はまずかぶら寿司用の大カブと小カブを始めてみました。
また、加工の仕事も増やしていきたいです。今こまつなは、おみそ汁の具に入れるような、干したものを少し作っています。梨も、今年は支援学校に依頼して干し梨を作ってもらいました。そういった加工品をこれからはもっとたくさん作れればなと思っています。農業は冬の間はどうしても仕事量が減ってしまいがちですが、せっかく働きにこられている人達にもっと仕事を出せるようにしたいんです。
いろんな仕事があれば、それだけ従業員の方の働きやすさにもつながりますものね。
それにいろんな仕事を作ることができれば、もしかしたら、たとえば障害者の方で農業ができなくても加工ならやってみたい、それを売る接客業ならやってみたい、となるかもしれない。いろんな仕事を用意することで、障害者の方が自立する手助けになれる。そこまでになるといいなと思っています。
これから就農を考えている方へのメッセージやアドバイスをお願いします。
興味があったら、とりあえずやってみるのが一番かなと。難しく考えずに、とりあえず体験してみること。それで「ああこの仕事なら好きだから続けていきたい」となれば、そこからやりたいことがどんどん見つかっていくと思います。だからそんなに気負わずに、まずは始めてみればいいんじゃないでしょうか。